(MIHARAYASUHIRO)の2014-15年秋冬メンズコレクション。フランス・パリの画廊や骨董品店が軒を連ねるパレ・ロワイヤルの小さなブティックで、プレゼンテーション形式で発表された。会場に置かれたお立ち台に、会場を行き来するモデルが立つ演出で、台の横にはコレクションのと連動した和の映像(伊藤若沖の絵画がモチーフになっている)が流れている。 今回のインスピレーションソースは、1950〜60年代にイギリスで一世を風靡した「」のスタイル。、バラクータのG9、テッズコートなどの象徴的なアイテムを三原流に編集し、そこに日本の旧き良き時代の和のテイストを加えている。アウターよりインナーを長めにした縦に長いシルエットが多いのも特徴のひとつだ。 得意とするトロンプイユの表現もより複雑になっている。「ザ・モッズ」的な細身の3つボタンのスーツのルックは、インナーのデニムシャツとデニムジャケットとパンツのウエスト周りが重なり合う騙し絵のテクニックを駆使。 タイトなのスーツのインナーには、ヘリンボーンのラインがクロスしたシャツを合わせ、インナーとアウターの境界線をボカしている。代名詞のシューズは、パチンコ玉が張り付いたような、トゥの部分にペンキを垂らしたようなブーツなどを提案している。 和の要素では、江戸時代中期に活躍した絵師、伊藤若沖の絵画を引用。2012-13年秋冬シーズンから継続して使っている西陣織で若沖の世界観を表現することで、モッズという定番のテーマに新味を加えている。世間の雑事に興味を示さず、ひたすら絵に没頭した若沖とその作品に、三原はモッズと同じ 反抗 という匂いを感じ取ったのだろうか 。 Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)